就活ノウハウ

自己分析の落とし穴

『自己分析をすれば、すぐに「自分の仕事はこれだ!」とハッキリする』と思うのは危険です。
自己分析は、生涯続く大切な営みです。また、どういう仕事をするかだけに囚われず、仕事にどう向き合うかという点でも自己分析を活かして欲しいと思います。

最初の仕事はくじ引き

自己分析をすることを強く推奨していて、一番不安になるのは

就活生
就活生
「自己分析をすれば天職がわかる!」
「自己分析さえすれば天職で働ける!」

と思い込んでしまう方が出てくることです。残念ながら、ちょっとやそっとの自己分析ではいきなり天職がわかることもなく、自分の仕事が天職になることはもっと遠いのです。

「最初の仕事はくじ引きである」というのは、社会学者の故P.F.ドラッカー(クレモント大学教授)の言葉です。この言葉には「本当に自分が向いている仕事に就くには数年を要する」との言葉が続きます。

くじ引きというと、本当に運任せのようであり、学生のうちに自己分析する意味を失ってしまいそうではありますが、一方で確かにくじ引きというレベルのものが「最初の就職」であることも理解しておいた方がいいと思います。
働いたことのない人が、働くことに対してどれほど自分を分析しても、働いてみなければわからないことが残ってしまうのは当然と言えば当然です。

それでも自己分析が重要な理由

しかしそれでも、私が自己分析を勧めるのには理由があります。
一つは、自分なりの仮説がなければ、最初の就職の意味が薄くなってしまうからです。よく考えずにあてずっぽうで仕事を始め、なんとなくイヤになったのでやめてみた。そういうことを繰り返していても、なかなか天職に近づくことはできないでしょう。
「自分は社会にこういうインパクトを与えたい」
「自分の得意領域はこういうところだ」
そういう仮説があるからこそ、経験によって検証ができるわけです。

ですから、最初の自己分析で出てきた自分というものが、一生続く保証はないにしても、“本当の自分”というものがあるとして、それに近づいていくには、初めの就職の時から、自分についてよく知ろうという努力は必要なはずなのです。

“何をするか”だけでなく”どう向き合うか”の大切さ

もう一つ、自己分析について注意というか、気に留めておいていただきたいとことがあります。それは、自己分析の結果に縛られないで欲しい、ということです。

仕事をしていれば、好きじゃないことも苦手なこともあります。辛いことも「どうして私が?」と思うこともあります。
「自己分析結果でわかったやりたい仕事と違う!」
「自己分析でわかった自分の強みが活かされていない!」
そういう状況に頻繁に陥るのが仕事であると思います。

そういう時に、自己分析の呪縛に囚われないで欲しいと思うのです。
自己分析は生涯続ける価値のある営みだと私は考えています。21歳の時の自己分析結果に23歳の自分が縛られる必要はありません。23歳の時にはまたビジョンやスキルを更新して、自分なりにその状況に意味を見出す努力がさらに自己分析を深めていくのです。

もちろん自分の明確なビジョンが「この仕事は違う」とささやくのを無視しろと言っているわけではありません。しかし、本当に従事すべき仕事をしていたとしても、試練や困難があることを忘れて欲しくないのです。試練や困難は必ず私たちに成長をもたらすものです。
自己分析は、ラクな人生を教えてくれるものではなくて、充実した人生を送るために必要なものだと捉えて欲しいと思っています。