I.総合商社とは何か??

この章では、まず総合商社の全体像をつかんでもらうために、総合商社の特徴、仕事内容、働くことの魅力について説明する。

総合商社とその特徴

総合商社については明確な定義はない。「」という形態は日本独自のものであり、世界には類を見ない。特定の商品を扱う専門商社は世界中にたくさんあるが、すべてを扱う総合商社は日本にしかない。

ここでは、売上高が1~5位の三菱商事、三ツ井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅の五大商社について解説する。総合商社の特徴としてあげられるのは、以下の四つである。

i) 多様な取扱商品・サービス

大手総合商社の一社当たり品目数は二万~三万点ともいわれる。範囲も繊維、機械、情報、金属、エネルギー、化学品、食糧、木材、物資、建設などの原料・素材から消費財、生産財、サービスまで、圧倒的な多様性を持っている。これが「ラーメンからロケットまで」といわれる所以である。

ii) 取引形態の多様性

売上高は国内、輸出、輸入、三国間取引に四分類されるが、実際の取引はさらに複雑多岐にわたる。当初は取引主体のビジネスモデルであったが、最近の総合商社はそれに加え、リスクを負担して事業投資を行う投資事業型の企業形態へ発展している。

iii) 多様な機能

通常の商取引機能のほかに、事業投資、金融、プロジェクト組成、情報、物流、リスク負担などの諸機能を持ち、これらが組み合わさって総合力が発揮される。

iv) グローバル・ネットワーク

商社は海外ビジネスの拡大に伴ってビジネス拠点を世界各地に展開し、それらを有機的に結びつけることによって商社の情報力、総合力を発揮してきた。五大商社はほとんどの国・地域に現地法人、支店、駐在員事務所、現地事業会社など何らかの形態でビジネス拠点を置き、全世界を網羅するビジネス・ネットワークを保有している。


JFTC(社団法人日本貿易会)によると、商社機能は商取引、情報・調査、市場開拓、事業開発・経営機能、リスクマネジメント、ロジスティクス、金融、オーガナイザーの八つに分類できる。

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