コンサルタントとは

コンサルタントとは ~その存在意義

それではまず、一般的なレベルにおいてコンサルタントとは何か(その存在意義)について以下のようなアプローチに基づいて論じていきたい。ここである程度のイメージを持つことで、後に続く具体的な内容の理解を深めていただけたら幸いである。

「コンサルタントとは」検討アプローチ

コンサルタントの付加価値の源泉について、(1)「コンサルタントは企業の医者」のウソと、(2)コンサルタントは「時間」を売るという、大きく2つのパートから検討を行う。

「コンサルタントとは」検討アプローチ

「コンサルタントは企業の医者」のウソ

コンサルタントとは、という問いに対する答えとして、「企業の医者」という定義をよく見かける。なるほど確かに、コンサルタントは企業の課題(病気)解決に従事し、その課題はその時々の状況に応じて様々であるからこの定義はもっともらしく聞こえる。ただ、表面的に聞けばもっともらしいこの言葉も、突っ込んで考えてみると必ずしも真実ではないと思われる。ここでは「コンサルタントは企業の医者」について突っ込んで考えてみることで、コンサルタントの本質に迫ってみたい。

(1) コンサルタントは誰でもなれる ~その形式的要件

さて、医者になるためにはどうすればよいだろうか。まずは大学医学部に進学し、そこで6年間勉強をする必要があるだろう。さらにその後、国家試験に合格しなければならない。そこで初めて医者の卵としてスタートラインに立てるのである。この通り、医者は国家資格であり、誰もが明日から医者を名乗れるというものではない。

これに対し、コンサルタントになるためにはどうすればよいだろうか。それは企業の医者なわけだから、当然大学経営学部に進学し、卒業後に国家試験が待っているかといえば、そうではない。コンサルタントは資格業にあらず、これが答えである。つまり、誰もが明日からコンサルタントを名乗れるということになる。

これが世に「○○コンサルタント」、「コンサルティング○○」といった職種が氾濫する原因となっている。
例えば○○コンサルタント、経営、IT、人事等は一般的だろう。ブランド、外食、建設、これはまだイメージができる領域ではないだろうか。着物、ダンス、ラーメン、コンサルタントというか先生、評論家というほうがしっくりくるが、これとははたして違うのだろうか?また、これらは明らかに企業をクライアントとしていない、B
to Cのコンサルタントである。

上記はいずれも検索エンジンで引っかかった、れっきとしたコンサルタント達である。しかもこれはあくまで一例に過ぎないので、一体いくつの○○コンサルタントが存在するかは定かではない。極めつけは自称コンサルタント、もはや日本、いや世界の全ての人が「コンサルタントの卵」なのである。

コンサルティング○○についても同様のことが言える。一例としてコンサルティング営業を挙げてみよう。一般的に、ITの進化も相まって顧客ニーズは多様化の様相を見せ、従来の押売り型営業では不十分であり、顧客それぞれのニーズに合わせた提案型営業が必要になってきたことは理解できる。近年、こうした傾向を受けてこれまでの営業をコンサルティング営業と銘打つ企業も少なくない。

しかし、これはやはり「営業」なのである。営業に変わる新たな職種が誕生したのではなく、営業の手法が進化したに過ぎない。ただ、それでもコンサルティング営業を真剣に推進する企業があることはもちろん否定しない。一方で、コンサルティング営業という響きがどことなくスマートなイメージを与え、営業の本質をぼやかしてしまっていることも否定できないだろう。

コンサルタントは誰かに認められてなるものではなく、なろうと思えば誰でもなれるものである。ただそれが、コンサルタントというものをより不明確な存在にしていることは上述のとおりである。

一般的には、著名なコンサルティング会社に入ればコンサルタントということになるだろう。また、経営コンサルタントとしての唯一の国家資格といわれる中小企業診断士を取得すれば、コンサルタントと名乗っても問題はないだろう。

ただし、これはコンサルタントであることの「確からしさ」を証明するものであって、コンサルタントが資格業でない限り明確な定義・基準を持つことはできない。

(2) 企業の課題解決は誰でもできる ~その実質的要件

ふたたび話を医者に戻してみる。人間はその自然治癒力の範囲を超えると病気になると考えられる。病気になった場合、もちろん病気の種類によるが、医者による治療を施すことによってその病気は治る(あるいは悪化しない)。

これについてはコンサルタントも同様のことが言えるだろう。企業の抱える課題(病気)に対して、その解決の方向性(治療法)を考え、実際に課題解決(治療)にあたることこそがコンサルタントの職務である。

ただし、企業の課題はコンサルタントでなければ解決できないだろうか。当該企業の社員では対応不可能といえるか。答えは否であろう。社員であっても課題解決はできるのである。極論すれば、誰でも「やればできる」の世界だといえる。

ビジネスに絶対的な解はない。したがって企業はその時々の状況に応じて相対的に望ましいと考えられる方向を目指すこととなる。病気については、治療法はいくつかあるにせよ、基本的に解は決まっているだろう。一方でビジネスにおいては、課題解決方法もそれによる効果も、複数のオプションが存在しどれが最も望ましいかは一概にいえないことが多い。このことは、コンサルタントの提示する方法が唯一正しいという論理を否定する。つまり、コンサルタントでなければ課題解決ができない、ということではないのである。

では、「やればできる」の企業の課題解決において、コンサルタントの提供する付加価値とは何であろうか。課題解決の効果を、品質と時間というものに分解して考えてみると、「やればできる」は品質を指していることがわかる。ビジネスにおけるもう一つの重要な要素である時間(いつまでにやるか)、コンサルタントの付加価値はここにあるのではないかと思われる。

コンサルタントは「時間」を売る ~(知識+スキル)×労働時間

上記のように極論すれば、いかなる戦略立案、業務改革、システム構築であっても、自社の各部門に任せ実現することは可能である。では、そうであってもなぜクライアント企業はコンサルタントに依頼するのであろうか。

その一つの答えとして、アウトプットを生み出すスピードが考えられる。つまり、コンサルタントは課題解決を早期に実現することで、その効果を最大化することによって、クライアントに対して付加価値を提供しているといえる。

コンサルタントは「時間」を売る

「やればできる」の企業の課題解決において、その効果が見込まれる期限内の実現をコミットするだけでなく、より最適なタイミングで課題解決を実現することこそ、コンサルタントの付加価値であるといえる。

コンサルタントは「時間」を売る

このスピードは、(知識+スキル)×労働時間+客観性という要素に分解して考えることができる。

(1) 知識+スキル

知識とスキルはコンサルタントが最も売りとする部分であるといえる。コンサルタントは通常、特定の業界・サービスに特化した業界知識および専門スキルと、論理的思考に代表される汎用スキルを武器とする。

まず業界知識については、その道のプロフェッショナルであるクライアントと対等に仕事をすることが求められる以上、大前提の知識となる。業界知識については業界一般的(市場動向等)なものとクライアント企業特有のものがあり、前者は常に情報収集を心掛けておく必要があるが、後者は実際にクライアント企業へのコンサルティングを行っていく中で覚えていくしかない。しかもこれはプロジェクトを推進していく上での前提知識となるわけだから、プロジェクト開始当初に習得する必要がある。

以上のことから、コンサルタントには幅広く精度の高い情報源を持つことと、情報をキャッチアップするスピードが求められるといえる。

専門スキルとは、○○コンサルタントの○○の部分だと思っていただいて差し支えない。要は、そのコンサルタントがどの領域で強みを発揮できるかということであり、最も本質的な部分であるといえる。

これは汎用スキルにも同様にいえることだが、スキルとはその領域に関する知識だけでなく、経験に裏付けられていることが大きな意味を持つ。バットの振り方は知っていても、実際に振ったことがなければ、野球選手にはなれるはずもないということである。

一方で、バットはとりあえず振れるようになったから、今度はサッカーボールを蹴れるようになるというスタンスでは十分であるとはいい難い。何でも屋ではなく、バットをひたすら振り続け、バッターとしてプロ野球選手を目指すようなスタンスこそコンサルタントには求められるといえる。

さて、プロ野球選手になるためには、あるいはなった後でも、まず何よりも基礎体力作りは必要な取組みであるといえる。文字通りそれを基礎とした上で、野球選手としてのスキルを洗練していくこととなる。

これをコンサルタントに置き換えると、専門スキルの基礎としては汎用スキルが必要になる。汎用スキルとは、専門スキルを洗練していく上で必須のスキルであるといえるが、これもその専門スキルが何であるかによって内容は異なってくる。簡単な例として、戦略コンサルタントであれば、戦略立案が専門スキルであり、その基礎としては論理的思考力が汎用スキルとして挙げられる。

以上のように、知識とスキルはコンサルティングを行っていく上での絶対必要条件であり、その成果が最も表に出る部分でもある。ここをいかに向上するかによって、コンサルタントとしての付加価値が決まってくるといっても過言ではないだろう。

(2) 労働時間

コンサルタントに対しては以下のような質問がよく見受けられる。「コンサルタントは長時間働いているイメージがあるのだがこれは本当か?」、答えはYESでありNOでもあるというのが本当のところである。結局は、取組むべき仕事があれば労働時間は当然長くなるし、なければ短くなるという当たり前のことになるわけだが、コンサルタントの場合はこの取組むべき仕事にある種の特徴を見出すことができる。

まず第1に、コンサルタントはプロジェクト単位で仕事が入り、基本的には、プロジェクト期間内に提案段階でコミットした目標を達成しなければならない。ただ、実際にコンサルティング業務を進めていく過程で、提案段階では見えてなかった様々な課題が発生する(あるいは発生していた)ことが多い。その場合、目標に向かって設定した仮説に対していくつものハードル(課題)が敷かれるということになり、対応すべき事項が増加したり、またはそもそもの仮説を変更する必要も出てくるだろう。このように、そもそも想定していなかった課題への対応(想定外タスク)のために、単純にその分の労働時間が延びるということが考えられる。

あるコンサルタントの一日(想定外タスク発生パターン)

コンサルタントの仕事はスケジュールどおりに終わることはなかなかない。特にプロジェクトの進行が思わしくない場合、想定外タスクによりかなりの稼動が取られることになる。
あるコンサルタントの一日(想定外タスク発生パターン)モデル図

これとは違い、課題が当初から想定どおりのものだけであり、当初仮説の通りにプロジェクトが進行する場合、プロジェクトがそもそも無理なスケジュールで設定されていない限りは、労働時間は必ずしも長時間になることはないだろう。

あるコンサルタントの一日(想定外タスク未発生パターン)

仮にプロジェクトがスケジュールどおりに遂行できるのであれば、余裕を持ってタスクに臨むことができる。余裕を持てるがゆえに高品質も担保しやすい。

あるコンサルタントの一日(想定外タスク未発生パターン)モデル図

第2に、課題解決の早期実現を目指すために、必然的に1日当たりの労働時間が延びるというパターンである。これは、プロジェクト自体のスケジュールが、1日8時間労働を前提としていないかのようなタイトなものであった場合に見受けられる。コンサルタントは「時間」を売るという付加価値を鑑みると、それは他の誰よりも早期解決の実現ができるということであり、タイトなスケジュールでプロジェクトが発足するということは大いに考えられる。
その場合、実際にコンサルティング業務に当たるコンサルタントに対して過度の労働負荷が想定され、途中で体調を崩してプロジェクトを離脱してしまったり、最悪の場合はそのまま退職するという結果にもなりかねない。そこに第1で挙げたような想定外タスクが追い討ちをかけるように降りかかってきたら、それはもう地獄絵図であろう。

このように考えると、プロジェクトが目標を達成することは重要であるが、それと同じくらいプロジェクトに従事するメンバーがリタイアすることのないよう、効果的にプロジェクトを推進していくことも重要であるといえる。

(3) 客観性

コンサルタントとクライアントという位置関係は、必然的にコンサルタントに客観性(第3者性)を付与する。コンサルタントはあくまでも客観的な立場から、クライアントの現状とあるべき姿のギャップを分析し、そのギャップを解消するための課題解決の方法を検討する。それはクライアント企業内部の組織的なしがらみなどが反映されない、効率的かつ効果的なものであろう。

しかし、この一見メリットにしか映らない客観性も、実際にはコンサルティングのジレンマともいうべきデメリットが存在する。

まず最も重要なポイントは、最終意思決定者はクライアントであるという事実である。例え、コンサルタントがどんなに優れた提案をしたとしても、それを実行するかどうかの判断はクライアントの手にゆだねられている。クライアントが首を横に振れば、コンサルタントの努力は水泡に帰すということになる。

このため実際上は、クライアントと密に連携を取りながら、クライアントが納得する形で課題解決の方向性を検討していくことが多い。そうすることで実現可能性も増すというわけである。

ただ、ここで考えていただきたい。クライアントの納得性と、客観性の担保を両立することは可能であろうか。

ここは、コンサルタントが如何に事実的根拠(ファクトベース)に基づいたあるべき方向性と、クライアントの意向を刷り合せることができるかにかかってくる。それは場合によっては、クライアントの意思が過度に反映された結論になる可能性もありうるということを意味する。

例えば、クライアントが企業のある事業部であった場合、クライアントの意思を過度に反映してしまうと、他の事業部には必ずしも良い結果を生まず、企業としての全体最適は達成されないおそれがある。客観性を追及してもクライアントがYESといわなければプロジェクトは失敗する、一方でクライアントの意思を考慮しすぎると全体最適な解を実行することはできない。これがコンサルティングのジレンマである。

コンサルティングのジレンマ

コンサルタントの付加価値の構成要素である客観性の追及は、クライアントの納得のもと行われていくことになる。一方、クライアントの意思が過度に尊重された場合、その客観性は影を潜め、全体として必ずしも望ましくない結論を導くおそれがある。

コンサルティングのジレンマ・イメージ図

このため、コンサルタントは持ち前の知識とスキルをもって、相応の時間をかけて事実的根拠に基づいた提案を行い、クライアントがあるべき方向性とそこに向かう必要性を認識することに尽力しなければならない。

以上、コンサルタントとは何かについて概観してきたが、大まかなイメージは持っていただけたであろうか。以降はこのコンサルタント像を前提として、より詳細な業界分析を進めていきたい。

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